「Sailing days-7」

「Sailing days-7」

いよいよヨットレース当日、天候は晴れ、風はやや微風。
レース会場の岬はかなりの人でごったがえしていた。
俺たち３人は昨日のうちに「みかんと風車号」をレース水域に入れて、最後の調整とトレーニングをしていた。
岬にはやたらめったら人がいて一度はぐれると、二度とめぐり会えそうにないので、
ナミさんはゾロにくれぐれも船の傍を離れるなと言い残し、エントリーの確認をしにいった。
既に他のヨットも全艇スタート海域に集合している。
俺とゾロは船に二人残されたまま、岸に上がってウォームアップをしたり、完璧なはずのパーツや装備品のチェックをしていた。
柄にも無く何だか落ち着かない。
風が無くて、船の風見はだらんと下に垂れたまま。
俺は艇首部に座りこみ、煙草を吹かしていた。
ゾロは目の前の桟橋で、屈伸してる。

「３０１２、３０１３、３０１４。」

いつもご苦労な奴だ。
スタート前にバテちまわねーのかな、こいつ。

「おう、ゾロ」
「３０１５、３０１６、３０１７・・・」
「シカトすんじゃねーよ。」
「なんだ？３０１８、３０１９、３０２０・・・」
「お前さ、この間の霧の濃かった日だけど・・・なんかあった？」
「ああ？霧？知らねーな。」

俺が初めてナミさんにキスした日。
あれくらいでナミさんが態度を変えるはずなかったのに、次に会った時少し雰囲気が違った。
これまでの含みのある笑顔じゃなくて、何かが吹っ切れたような素直な笑顔だったんだ。
つまらねえ感情にほんの少し胸がざわめく。
こいつとなんかあった？・・・まさかね。

「おら、霧が濃くて練習やめたろ。」
「ああ、雨の日な、３０２１、３０２２、・・・・」

ゾロはちっとも筋トレをやめようとしねえ。
ムカつくったらねーぜ。

「んでなんか無かったかっての？」
「なんかって？」
「だから！ナミさんとなんかあったかって聞いてんだよ！」
「別に。３０２３、３０２４、・・・・」
「ちっ！」

こいつちっとも態度を変えねえ。
お前にとっちゃナミさんのことは、その程度のことなのかよ。
レース前にこれ以上余計な神経無駄に使いたくねーから、そこで会話を切った。

「サンジくーん、ゾロー、手続き全部ＯＫよ。」

ナミさんが書類を手に持って、俺たちのもとへ戻ってきた。
短パンに水着のブラをつけた身体が眩しい。
やっぱり上から８６、５７、８６は間違いないな。

「出場艇、全１７艇、棄権が２、装備不良で失格が現時点で１艇よ。」

ナミさんの笑顔に闘志を感じる。
ここが彼女の正念場なんだ。
全て、この日の為に彼女は闘ってきた。世間の常識や良識って奴と。

「ああ、受付の傍でサンジくんのパパに会ったわ、応援してくれてんのね。」
「応援？あいつが？冗談じゃねえ。」

確かにレースが始まって1時間くらいは、店は昼休みだ。
だからってこんなとこまで出てくんなよ、みっともねえ。

「何言ってんのよ、スポンサーじゃない、ゲンさんやノジコも来てるわ。ドクターはレスキューに呼ばれてるし。」
「俺の親父とお袋もどっかにいるらしい・・・」

と、ゾロが言ったがこいつなら探し出すことは不可能だな。
家族の再会を果たす頃には、こいつはジジイになってるだろう。
ゲ、ってことはみんな全員集合ってことかよ。
俺は今更ながら市長主催のレースというものを何気に理解した。
しっかしクソジジイは来んなよ、集中力が乱れるんだ、あいつの存在は。

「邪魔だよ、何しに来てんだか・・・」
「赤髪の連中がね、裏で賭けやってんのよ。ゼフさんあたしらの優勝一本買いしてたわ。」
「まるで俺たちゃ競走馬だな。」

クソジジイが俺たちの優勝一本買いしてると聞いて、俺は少なからず恥ずかしかった。
バカじゃねーか、初出場なんだぞ、船は金かけてねーし、優勝なんざするわきゃねーだろ。

「胴元のおじさんがさ、やたらハッタリかます人でねえ。あたしらの事やけに持ち上げてたけど、・・・嘘ばっかりね。
優勝多数だとか、海外出場経験有りだとか。」

ナミさん、そいつは・・・赤髪の下にいるそいつは・・・すっげえ心当たりがある。

「・・・ナミさん、それ俺の姉貴の・・・・・亭主。」
「ええ？滅茶苦茶、レゲレゲで見るからに怪しげなおじさんだったわよ！」

そう、間違いない。
キー姉・・・いつも思うんだけど、何であいつと、ヤソップと結婚したの？
そりゃ、キー姉ちゃんはあの器量だから次姉のティティ姉ちゃんみたいな玉の輿は望めねーだろうが、
よりにもよってこんな嘘つき・・・

俺が姉の今後の事を憂慮していると、港内に号砲が鳴り響いた。
三人共ハッと意識を向ける。
ナミさんは桟橋から軽快にヨットに乗り込み、ゾロもそれに続く。

「スタート１０分前よ、行くわよ！」
「「おう！」」

アンカーを上げて船を離岸させる。
俺が足で桟橋を蹴ると僅かな風に乗り、船はスルスルと動き始めた。
港をスタートし、外海に出て３つのマークをクリアしてフィニッシュする。
ゴールはスタート位置と同じ港だ。
セイルを操りながらスタート位置に船を移動させる。
ヨット競技のスタートはフライングスタートだ。
スタート前から自由に走りながら時間を合わせ、自分が有利と思う位置からスタートする。
俺たちのスタート位置は他の連中とはかなり離れた位置だった。
そのことに文句を言う奴は「みかんと風車」号には乗ってねえ。
全てナミさんの考えたコースで、走りきることが勝つことへの一番の近道だからだ。
でもどの艇も俺たちとはまるで違う位置にいるので、少々不安になったりもする。
ゾロは勝負に拘る性格なので、最短のスタート位置をキープできなかったことが少し気に入らないらしい。

「おい、ナミここでいいのか？」
「いいのよ、・・・・サンジくん、煙草は？」
「ああ、ごめん、今消すよ。」
「ううん、まだ消さないで。」

ナミさんは俺の傍にスッと寄ってきた。

「あああ、ナミさん、なんでＴシャツ着ちゃってんのほほほーーー？」

ナミさんはいつのまにか水着のブラの上にＴシャツを羽織っていた。
そんなあ、俺の強壮じゃなくて競争意欲が減るじゃーん。

「どこ見て何喋ってんだ、お前は。」

うるせーな、緊張感を和らげようとしてんだよ。
ナミさんはそんな俺に構わずに、至近距離で俺の顔をじっと見つめた。

「んーん・・・」
「え、何？」

もしかしてキスしてほしいとか、いやこの状況でそれはねーか。
俺に身を寄せてじっと見上げてくるナミさん、ゾロはその光景をジト目で見てる。
なーんかいまいち緊迫してるよーな、してねーような・・・

「うん、いけるわ、サンジくんもう消していいわよ。携帯灰皿でね。」
「あ、ああ・・・」

ナミさんは俺の煙草で風の流れを見ていたんだ。
微風の為、風見はだらんと下がったまんまで役に立たねえ。
また号砲が鳴った。準備信号が出される。
ナミさんは立ったままティラー（舵棒）を握って、左手を上げた。

「さあ、行きましょ！」

俺とゾロはナミさんの左手を交互にパンパンとはたいた。
すぐに自分のシートにつく。
ゾロはメインシート、メインセイルを出し入れするロープを握る。
俺はジブシートを握った。
前部三角帆、ジブを細かく操りながら、ブームを取って帆の角度を変えるのが俺の仕事。
俺とゾロは船底に固定された足掛けベルトに片足をひっかけた。
ゾロと俺が船の右左対象に座ることになる。
今は船足を抑えるため、こうしたポジションを取ってるけど、ヨットは体重移動で進んでいくから、
この後俺はゾロの横に乗ったり後ろに乗ったり、大忙しなわけだ。
もう慣れたけど・・・せまいんだよな。
全員で本部船から出されている準備信号の旗を睨みつけた。

信号が下ろされた！号砲一発、レーススタートだ。

「リコールの指示は無いわ。このまま突っ走るわよ！」

スタートラインは風上に対して直角にある。
船はゆっくりと僅かな風を受けて走り始めた。
思ったより速力が上がらない。もっと沖に出てからでないと話にならない。
けどナミさんは自信たっぷりに艇尾で舵を取ってる。
よく周囲を見渡すと、最短スタート位置に殺到した船はいくつも団子になってる。
身動きしにくいばかりか、接触の危険性がある。
でもナミさんが離れたスタート位置を取った理由はそれだけじゃなかった。
次第に船を進めていくと、段々セイルに風が取れてきた。
団子になった船は沖から吹く風を奪い合って、僅かな風しか得られない。
出遅れた連中の船は風を取れなくて、既に脱落気味だ。
団子艇は2艇が接触し、どちらも転覆、そこで失格した。

スタート時の混乱を避けるため、自艇だけの風を得るためにわざと不利なスタート位置を取ったとしても、
距離が長ければ仕方がない。
俺たちは風を捕えて、速力を上げられるだけ上げた。
ヨットは真っ直ぐに走れない。
目標に向かって右に左にジグザグにコースを取りながら進んでいくんだ。
「みかんと風車号」は小さな艇だ。旋回性能には自信がある。
でも細かい動作を続けていくってことは・・・すごく筋力が要るってことなんだ。
俺とゾロはナミさんの支持するリズムに合わせて、セイルを傾けていった。
ゾロが引っ張り俺が押し出す。その次は俺が押し出してゾロが引っ張る。
チームを組んで以来その動作をずっと訓練してきた。
そうしているうちに俺は思ったんだ。
こいつとはそんなに気が合わねえわけじゃねえって。
多分口を開けば喧嘩になるけど、俺とゾロの間に必要だったのは言葉なんかじゃなかった。
言葉を超えた何かで俺とゾロは凄く近い位置にいる。
説明なんてしようが無い。

「一番のマークが近づいたわ、サンジくんタッキングして！」
「ＯＫ！ナミさん！」

タッキング、艇首を風上に向けて方向転換する。

設定コースによるとここで９０℃ターンして、2番のマークを目指す。
風を受けて十分なスピードを出した。
ナミさんが舵を切った。その舵をキープしたまま俺はゾロの横に移動。逆ジブを利かす。
俺とゾロの体重が船体右に大きくかかると、船が傾き始めた。
ゾロはベルトに両足を突っ込んで、自分の身体を固定し、艇外に身を乗りだした。
船は益々傾いて、ターンを始めた。
ゾロの生み出したヒール（船体の傾き）を俺が自分の体重で僅かに殺す。
タッキングに失敗すればコースアウトか失速が待っている。

「サンジくん！立ち上がり！」
「おう！」

船は僅かにスピードを殺しただけで、タッキングを終えた。

でも「みかんと風車号」はこっからが本領発揮だ。
小型で軽いこの船は男二人の体重を素直に受け止めるから、タック後の立ち上がりが以上に強い。
かわいい奴だ。素直で感じやすい子は大好きだぜ。

「追いついたぜ、先頭集団！」

ゾロが体勢を戻しながら叫ぶ。
スタート時の混乱をお利口にやりすごし、いち早くマークを通過した船2艇。
１艇は社会人参加の漁師ドリーとブロギー。
どでかい身体に底知れないパワー、簡単には抜けそうにない。
その後に続くのは地元大学ヨット部の奴ら。
何だかやけにしっかりとした船体に、いかにも高そうなセイル。
船体にはでかでかと大学のロゴが入ってる。
・・・それだけでなんかムカつく。
なんか金持ちのおぼっちゃん達がヨット操っているように見える。

水しぶきを受けてナミさんのＴシャツが濡れて、水着の柄が浮き上がった。
それを見てそのなんとか大学の奴らは、ピーピー口笛を吹き出した。
競技規則で俺たちはライフジャケットを着けているけど、そこから溢れ出んばかりのナミさんのダイナマイトボディ。
いや、そうじゃなくて・・・

「お姉さーん、そんな安っぽい船じゃ勝てないよ。Ｔシャツ脱いでこっち乗れば～～」

奴らの冷やかしは止まらない。
船体を俺たちの針路上に近づけてきた。
ここで俺たちを仕留めなくても、入賞圏内に入る自信があるらしい。
シートを握るゾロの手にギリギリと力がこもる。

「なんかあいつらムカつくな。」
「ああ、俺たちのナミさんを・・・許せねえ。」
「そお？だったら排除するのみ。」

俺らの苛立ちをよそに割りと平然とした様子のナミさん。
ナミさんは艇尾で舵を取りながら、大学チームの奴らにウィンクした。
またもや色めくおぼっちゃん達、ああナミさん、そんな奴らに笑顔を振りまくなんて・・・・・・メロリンショボン・・・

「お兄さん達ー！素敵なヨットね～。」
「だろ～、このレースじゃ速力ナンバーワンだぜー、お姉ちゃん。」
「ほんと、スピードが武器みたいね、でも私たちの武器に敵うのかしら～？」

ナミさんは連中に明るく声をかける。
そんなの相手にしないでくれよ、ゾロは露骨に不機嫌な顔をしてる。
大体このレースはスタートしてからは、見守っているジャッジがいないから、こんな非紳士的な言動をする奴もいる。
なんてったって地元の草レースだからな。

「武器ってなんだーい？大砲でも積んでんのかーい？」
「こ・れ・よ！幸せぱんち！」

ドガっ！

連中が一度に握っていたシートを離して仰け反った。
舵もスキッパーの手から離れブラブラ宙に浮いてる。
セイルは緩んで風力を失い、速度ががくっと落ちた。
その隙に俺たちは連中の右舷をすり抜け、前方に躍り出た。

「おい、ナミの奴・・・今何した？」
「いや、俺は進行方向見てたから・・・そっちは見てねえ・・・」

「さあ！行くわよ！二人とも！二つ目のマークが見えてきたわ！」

ナミさん、君のテンション絶好調・・・

二つ目のマークをタックして通り過ぎる。
追い風になったその水域にはドリーとブロギーがいた。
二人共本職の漁師だけあって、波を読むことに慣れている。
ナミさんよりもこの海を知り尽くしているのは恐らく彼ら二人だろう。

「どう仕留める？なんとかパンチは効きそうにねえぞ。」

ゾロは船体をヒールさせながら、ナミさんに尋ねた。

「だったら真っ向勝負よ、彼らにも弱点があるわ。」

ナミさんは一瞬呼吸を止めているように見えた。
呼吸を止めて波と風の声を聞く。

「ゾロ！ハイキングボード出して！」

艇外に板を出し、ゾロはそれに乗っかって身体全体を艇外に出す。
ゾロの身体は完全に船の上じゃなくて、海の上だ。

「サンジくん！ジャイビング！」

俺はさっきまでゾロがいた位置に並んで、一緒にメインセイルのロープを掴む。
ナミさんは舵棒を膝に挟んだまま、ジブシートを掴んだ。
風下回りの方向転換、ジャイビングの用意だ。
そこに今日始めて受ける強い横風が吹いた。

「ゾロ！思いっきりヒールして！ぎりぎりまで船を傾けて！サンジくんはその位置死ぬ気でホールドして！！」

死ぬ気でって、確かにホールドしないとこれじゃ転覆する。
ゾロの頭が波をかぶって見え隠れしていた。
奴は自分の腕力と脚力だけで命を船に繋いでいた。

「ナミさん、やべえ、横波だ！」
「ううん、いける！」

でかい横波がゾロを襲った。
ヨットは横からの波に弱い、下手すりゃ転覆する。
ドリーとブロギーの船は船体が重くてでかいので、一応この強風と横風をやり過ごしていた。
船体は限界以上に傾いていて、俺がちょっとでも気を抜くとそのままひっくり返っちまう。
普通ここまで傾けるか？ウィンドサーフじゃないんだぜ。

「ナミさん！ゾロの奴、水かぶってる！！」
「ゾロ！」
「アガ、ホガ・・・」
「どおする？ナミさん？」
「ゾロ！・・・・息止めといて！！」
「ゴガガガ、・・・ホガ・・・」
「そんなんかよ！！」

ジャイビング終了、船はヒールを失った。
やれやれ、ゾロが溺れ死ぬとこだったぜ。
そんな心配はナミさんの頭には、俺たちの艇長の頭にはこれっぽっちもない。
既にドリーとブロギーに照準を定めていた。
立ち上がりの早い船の性能に任せ、ジャイビングの完了から一気に速度を上げた。
ドリーとブロギーは近在の島に住む身体の大きな漁師だ。
生活の為にしっかりとした技術を持っている上に、ぴったりと息が合ってる。
でかい身体を受け止める為、船体も重くてでかい。
つまりはターンした後の立ち上がりが遅い。
俺たちの船は彼らの船「エルバフ」号の右舷に取り付けた。
近くで見るとすげえおっかねえ顔した大男達だ。
けどそれぐらいでびびる俺たちじゃないぜ。

後ろから追い風がきた。
スピードならこっちの方が勝ってるはずだ。
でも奴らもよく波を知っていて、余裕に乗れる波を次々に見つけて速力を上げていく。
ゴールラインまであと２００メーター
追い風に乗ってさっきの大学生たちがゴール水域に上がってきた。
やっぱこいつら早い。
楽に俺たちと「エルバフ」号を追い抜き、ゴールに近づいた。
ナミさんは身体を小さく縮めた。少しでも抵抗を減らせるように。
ドリー達が並走してくる。最後のマークをギリギリのラインですり抜けた。

岬から号砲が鳴った。
大学生チームがフィニッシュラインを超えたのだ。
港から喚声が沸きあがる。例の大学のロゴの入った横断幕も見える。
続いてドリーとブロギー、僅か船首の差で「みかんと風車号」がフィニッシュした。

すぐさまゴールラインから船を移動させ、俺たち３人は陸に上がった。
身体中に潮を被っていて、ずぶ濡れだ。
急に力が抜けて、どっと疲れが押し寄せる。
一時間のレースで俺たちは自分の全てを出し切ったんだ。

「３位か、こんなもんかな。」

ぽつんとゾロが呟いた。
びしょ濡れの頭をぼそぼそ拭きながら。

次々に出場した艇が戻ってくる。
完走したのは１７艇中、８艇。
みんないきなりの横波と強風で転覆したり、脱落したらしい。

「いいえ、ヨットレースの本当の勝負はこれからよ。見てらっしゃい。」

ナミさんがきっぱりと前を見据えて言った。
場内にアナウンスが流れる。

「これより、競技中の反則行為に対する抗議を受け付けます。
抗議を希望する艇長はクルーと十分協議した上で抗議書を提出して下さい。」

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